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住宅の未来地図を読む:メガトレンドと資産価値
タイムス住宅新聞 連載「お財布とヒトにやさしい住まいのヒント」|一級建築士 村山 創
家を建てる、買うということは、「これからの暮らし」をつくることです。だからこそ、「今」だけでなく、「これからどうなる?」という未来の流れにも目を向けておくことがとても大切です。
たとえば、今の日本では「人口が減っている」「高齢者が増えている」という大きな変化が進んでいます。子どもの数が少なくなり、お年寄りが増えている。これにより、住む人が少なくなる地域や空き家が増える場所が出てきています。そんな場所では、どんなに立派な家を建てても、将来売るときの価格(資産価値)は下がりやすくなります。さらに、売却価格だけでなく、家賃や固定資産税、修繕費などを合わせて考えると、「買うよりも借りた方が安かった…」ということもあるかもしれません。
そして、お金のことでもう一つ大事なのが「住宅ローン」です。ローンを組むときも、未来を見すえた考え方が必要です。たとえば、今は金利が低くても、これから金利が上がるかもしれません。変動金利を選ぶと、月々の支払いが途中で増える可能性があります。金利上昇に備えたゆとりのある返済計画を立てておくことが大切になります。
また、2025年4月から法律が変わり、すべての建物で「省エネ基準(エネルギーをムダにしない性能)」を満たすことが義務になりました。リフォームでも大きな工事をするときは、建築確認が必要になるなど、手続きが増えています。さらに、2030年には、今よりもっと高いレベルの省エネ基準(ZEH基準)に引き上げられることが予定されています。
こうした社会の動きやルールの変化を知らずに家を選んでしまうと、後から困ってしまうこともあります。将来、誰も住まない家になったり、売れなくなったり、税金や修繕費がかさんだり…。それは、まるで“下りエスカレーター”に乗っているような選び方です。
だからこそ、今の暮らしだけでなく、未来の動きも見ながら、家を選ぶことが大切です。そうすれば、これから先も暮らしやすく、価値が下がりにくい、納得できる家づくりができます。家は、「今の自分たちのため」だけでなく、「これからの自分たち」への大切な場所です。前回お話ししたバケットリストというコンパスを見ながら、自分たちに合った選択をしていきましょう。
※参考:経済産業省 資料、国土交通省「待って!家選びの基準変わります 戸建住宅編」