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一級建築士事務所 創環境Design
ホーム 建築士が語る 人生を楽しむ住まい 第2回

Vol.2

身の丈に合った暮らしは、人生を一番豊かにする

タイムス住宅新聞 連載「建築士が語る 人生を楽しむ住まい」|一級建築士 村山 創

SNSで見失う「本当の満足感」

私たちは日々、何気なくSNSを開き、他人の暮らしや住まいを目にしています。美しい家、広いリビング、最新の設備。タイムラインに流れてくる画像は、とても魅力的に映ります。しかし、この「当たり前に使っているSNS」が、私たちの幸福度を少しずつ下げています。

人は無意識のうちに、他人と「比較」してしまいます。「もっと広い家がいい」「もっとキレイな家がいい」。そんな思考が積み重なると、本来すでに持っているものへの満足感は薄れ、「欠乏感」が生まれてしまいます。

さらに、「平均」や「世間」を基準に住まいを考えると、選択はどんどん狭くなっていきます。本来、住まいは“自分の人生”に合わせて選ぶもののはずなのに、いつの間にか「他人の基準」に引っ張られてしまうのです。

本当は、すでに持っているものがある。それなのに、比較によってそれを見失ってしまいます。だからこそ大切なのは、他人軸ではなく「自分軸」で住まいを考えることです。自分にとって何が心地よいのか。どんな暮らしがしたいのか。そこに正直になることが、満足感のある住まいの第一歩です。

他人軸と自分軸の比較イメージ

身の丈に合った住まいが生む「ゆとりと自由」

例えば、「小さく暮らす」という選択。「小さく暮らす=我慢」と思われがちですが、実はそうではありません。それは、余計なものを削ぎ落とし、本当に必要なものを選び取るという前向きな選択です。

家が大きくなれば、その分だけ建築費は上がり、維持費も増えます。掃除や管理にかかる時間も増え、知らず知らずのうちに「お金・時間・体力」を消費していきます。気づけば、「家のために働く人生」になってしまうこともあります。

一方で、身の丈に合った住まいを選ぶとどうでしょうか。無理のない家賃や住宅ローン。手入れのしやすい広さと整理された品物。そこには、「暮らしを楽しむ余裕」が生まれています。これが、ダウンサイジングの本質です。

賃貸でも、戸建てでも、マンションでも、正解は一つではありません。大切なのは、自分で選び、納得していることです。人生の満足度を大きく左右するのは、「自己決定感」です。誰かの基準ではなく、自分の価値観で選んだ住まい。誰かに決められた人生ではなく、自分で選び、納得しているという感覚。その積み重ねが、人生の豊かさにつながっていきます。

住まいは、人生の土台です。だからこそ、見栄や比較ではなく、「自分にとってちょうどいい」を基準にしてほしいと思います。背伸びをしない暮らし。足るを知る選択。それこそが、これからの時代における一番の豊かさではないでしょうか。

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