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幸福度を高める住まい:自宅を最高のパワースポットに
タイムス住宅新聞 連載「お財布とヒトにやさしい住まいのヒント」|一級建築士 村山 創
幸福度を高める「パワースポット」
これまでの連載では経済的な側面を中心にお話ししてきましたが、今回は少し視点を変え、「住まいが私たちの幸福度に与える影響」について考えてみたいと思います。
「住まい」は単なる生活の場ではなく、私たちの幸福度を大きく左右する重要な要素です。私たちがより幸福に生きるために、毎日を過ごす「家の環境」を意識的に活用する方法についてお話ししたいと思います。
では、具体的にどのように住まいを整えるかというと、キーワードは「パワースポット」です。パワースポットと聞くと、神社仏閣や自然の中にある特別な場所を思い浮かべるかもしれませんが、私たちが最も長い時間を過ごす自宅こそ最高のパワースポットにすべきなのです。
パワースポットに変えるための第一歩は、自分にとっての「好き」や「ときめき」で空間を満たすことです。たとえば、旅先で手に入れたお気に入りの絵画、心惹かれる色合いのクッション、集めている雑貨など、見るたびに心が満たされるアイテムを置く。そうすることで、家がただの建物から、リラックスでき、幸福感を感じられる特別な場所に変わります。
家が好きになると、自然と外での浪費を抑えることにもつながります。ストレス解消のために衝動買いをしたり、外食を繰り返したりすることが減るからです。お気に入りの場所で過ごす時間が何よりの癒しとなるので、結果的に経済的にもプラスになります。実は、これは非常にコストパフォーマンスの良い「自己投資」でもあります。
「役割」を与えることで空間の価値は高まる
部屋づくりのヒントとして、各部屋に「役割の名前」をつけてみましょう。たとえば、「寝室」を単なる「寝る部屋」としてではなく、「回復する部屋」と名付けてみる。この名前をつけることで、その部屋の目的が明確になります。
目的がはっきりすれば、それに合わせた空間づくりが容易になります。「回復する部屋」なら、心地よい眠りや心身の回復を促すための工夫を考えるでしょう。たとえば、部屋の温度を最適に保ったり、安眠を誘う寝具を選んだり、気分を落ち着かせる照明や香り、色を取り入れたり。アロマディフューザーを置く、遮光カーテンにする、環境音楽を流すなど、具体的な行動が次々と浮かび上がります。
同様に、「浴室」を「リラックスする場所」と名付けてみましょう。こうすることで、浴室という場所が「体を洗う場所」から「心身を癒す場所」へと意識が変わります。好きな音楽を流したり、お気に入りの入浴剤を使って香りを楽しんだり、湯船にゆっくり浸かる、温冷交互浴など色々なアイデアが浮かんできます。我が家では、この方法を活用して浴室が家族にとって最高の癒し空間になっています。
このように、場所に名前をつけて目的を意識するだけで、空間の価値が何倍にも高まり、それぞれの部屋が持つ役割を最大限に引き出すための選択が、驚くほど簡単になるのです。
「住まい」という名のパワースポットを意識するだけで
自宅を「最高のパワースポット」にすると意識するだけで、日々の気分が向上し、生活がより楽しくなります。そして、その楽しさが幸福度を高めることにつながります。まずは、自分の部屋だけでも構いません。少しだけこだわって、心地よい空間に変えてみてください。小さな変化でも、気分が大きく変わるのを実感できるはずです。お気に入りのポスターを飾る、趣味の小物を置く、インテリアを変えてみるなど、できることから少しずつで構いません。
私たちは、一日の大半を「家」で過ごします。その空間が、自分や家族にとって最高のパワースポットであるなら、そこから得られる恩恵は計り知れません。快適で満たされた空間は、心の安定をもたらし、日々の活力を生み出します。そしてその活力が、日々の暮らしをより豊かにして、幸福度が高まるでしょう。さあ、今日からあなたも「最高のパワースポットづくり」を始めてみませんか。それは、未来の自分への、最も賢い投資となるはずです。